日本財団 図書館


 

4. 将来の計画

4.1 長期的展望

ICAOの新CNS/ATMシステムにおいては、空地間のデータリンク手段として衛星データリンク、VHFディジタルリンク(VDL)、SSRモードSデータリンクの3つが挙げられている。このうち、衛星データリンクについては、平成7年に既に国際標準として第10付属書に追加されている。SSRモードSデータリンクについても、平成9年2月に開催されたS?CASP第6回会議で国際標準改正案が採択され、10年には第10付属書に追加される予定となっている。VDLについても、平成8年3〜4月に開催されたAMCP第4回会議でモード1及び2(CSMA)に関する標準案が承認され(最終承認は同年8月の全体ワーキンググループでの検証作業後)、平成9年には第10付属書に取り込まれる予定である。データと音声を同時に扱うVDLモード3(TDMA)の標準案についても、現在、国際標準化作業が積極的に進められている。さらに、新たなデータリンクメディアとしてのHFデータリンクについても、上記AMCP会議までにフィージビリティー・スタディーを完了し、平成10年はじめには国際標準案が承認される見込みである。
これら作業と並行して、上記4つの空地データリンクメディア及び地上ネットワークを統合する航空通信ネットワーク(ATM)については、平成8年11月に開催されたATNパネル会議(ATNP)でCNS/ATM−1と呼ばれる国際標準案が承認され(最終承認は9年3月の全体会議での検証作業後)、今後は飛行情報サービスの提供等について規定したCNS/ATM−2パッケージに係る国際標準の作成が進められる見込みである。
我が国においては、既存のVHFデータリンクシステムを利用したATIS/AEIS情報の提供が既に実施されているが、平成9年度には、衛星データリンクを使用したADS、CPDLCの初期運用が、また、平成12年度からは、運輸多目的衛星(MTSAT)による静止衛星を用いた管制業務の本格運用が開始される計画である。さらに、近い将来の計画として、VHFデータリンクの管制業務への利用の拡大、SSRモードSの導入等を図っていく計画としている。
このような状況を踏まえて、情報処理方式小委員会として、今後も引き続き、(1)空地データリンクの総合的な利用に関する研究、(2)航空通信ネットワーク(ATN)に関する研究、(3)航空管制用情報処理システムに関する研究を行うこととしたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION